ネタバレ感想【劇場版ドラゴンボール超 ブロリー】

【story】
フリーザがまた生き返った。

どうやら悟空たちが生き返らせたらしい。何かの理由があって蘇らせたのだろうが、一度は地球を破壊した張本人を蘇らせるとは、よほどの事態だったのであろう。今、彼は程ほどに宇宙を支配し、程ほどに破壊と殺戮、略奪活動を再開している。

時は四十数年前に遡る。

惑星ベジータに、コルド大王の息子フリーザが新たなる宇宙の支配者に即位したとの報せが届いた頃、二人のサイヤ人の赤ん坊が生まれていた。一人はエリート戦士バーダックの息子カカロット。彼は誕生時の戦闘力数値から下級戦士登録され、特に誰の目にも留まらなかった。もう一人は、下級戦士パラガスの息子ブロリー。その驚異的な戦闘力は、ベジータ王家への、ひいては惑星ベジータへの脅威となると判断され、生まれて間もなくブロリーは父親と共に辺境の無人の星に「星流し」にされた。それは実質処刑を意味するのだが、生まれつき天才戦士のブロリーと元々強かな性格のパラガスは、親子そろってこの苛酷な環境で生き延びていた。あまつさえ、ブロリーはこの星の巨大生物と仲良しにまでなっていたのだ。

一方カカロットは、フリーザの動向を怪しんだバーダックとその妻ギネの手により、環境の良い、フリーザ軍の監視の目からも逃れられる遥か辺境の星、地球へと夜逃げの様な形で送られた。産まれたばかりの息子との別れを悲しむギネ。これがバーダックの杞憂であれば、すぐにカカロットを迎えに行けば良い。そう考えていたのも束の間、直後に惑星ベジータはフリーザ軍の総攻撃を受け、バーダックの健闘むなしくフリーザの手によって星ごと粉々に破壊されてしまった。

時は流れ、カカロットは地球で孫悟空として逞しく成長し、レッドリボン軍を滅ぼし、ピッコロ大魔王から世界を救い、同じサイヤ人であるベジータの侵略を退け、遂には宇宙の支配者であるフリーザを倒し、今は破壊神とも互角に渡り合えるほどに成長していた。

平和なある日、ブルマは久しぶりにドラゴンボールを集めていた。目的はちょっとだけ若返らせてほしいというもの。文字通りのアンチエイジングだが、同時にフリーザ軍もドラゴンボールを集めていた。フリーザは、神龍の力でちょっとだけ身長を伸ばしたいと考えていたのだ。

そんなフリーザ軍の非戦闘員である女の子チライは、友人であるおっさんのレモと共に、フリーザ軍の戦力増強の為の強い戦士を探して、宇宙中を飛び回っていた。目ぼしい戦士などそう簡単に見つかる訳がない。半ば投げやりに仕事をしていた二人は、辺境の無人惑星から凄まじい戦闘力数値と救援信号を感知する。

そこには、二人で四十年以上も生き抜いていたパラガス親子の姿があった。二人を救助し、フリーザ軍に迎え入れるチライとレモ。しかし、物心ついた時から関わっている人間は父親だけ、その他の友人と言えば、最初は自分を捕食しようとしていた星の生き物たち。そんな世間知らずのブロリーが、そう簡単にならず者集団と打ち解けられる筈もなく、常に軍の戦闘員たちとは一触即発の状態だった。

なぜかチライとレモにだけは心を開いていたブロリー。そんな彼の話を聞いたフリーザは、来たるべき地球での悟空たちとのドラゴンボール争奪戦の即戦力として、彼をフリーザ側近の戦士に迎えた。

辺境の星で平和に暮らしていたのに、自分のせいで無理やりフリーザ軍の戦士にされてしまったブロリーに同情と責任を感じて複雑な気持ちのチライを余所に、ブロリーは悟空と対面。パラガスはこのまま息子が大活躍し、任務が成功すればフリーザ軍の幹部になれると期待に胸躍らせていたが、悟空の傍らにベジータが居るのを確認してびっくり仰天。今こそベジータ王家への復讐を果たす時と私怨まる出しでブロリーを開放。咆哮と共にベジータに襲いかかるブロリー。

潜在能力こそ凄まじいものの、実戦はこれが初めてのブロリーは、まるで戦い方がなっておらず、ベジータに軽くあしらわれていたが、元々天才戦士であった彼は戦いながら成長、どんどんと強くなっていく。吠えるブロリー。

次第に圧倒され始めるベジータ。悟空と交替し、今度は悟空がブロリーを押し始めたが、サイヤ人のパワーアップの引き金が怒りであると知っていたフリーザはパラガスを殺害、ブロリーを煽る。それを見て怒り狂ったブロリーは超サイヤ人に変身、もはや誰にも手がつけられない状態となる。吠えるブロリー。

見境なく暴れまわり、主であるフリーザにまで襲い掛かるブロリー。たまらずゴールデンフリーザに変身し、応戦するフリーザ。フリーザが時間稼ぎをしてくれている間に、悟空はベジータにある提案を持ちかける。吠えるブロリー。

それは、フュージョンという、二人の戦士が合体して新たなる超戦士を生み出すという技だった。ピッコロと共にベジータにフュージョンポーズを指導する悟空。そのあまりのカッコ悪さに、プライドの高いベジータは顔を赤らめながら激しく抵抗。以前、皆の前で自作のビンゴゲームダンスを踊っていたのに何を今更と思うが、尺の都合で渋々フュージョンを受け入れたベジータ。何度かの失敗を経て、最強のフュージョン戦士ゴジータが誕生した。吠えるブロリー。

満身創痍のフリーザの前に現れたゴジータ。吠えるブロリー。超サイヤ人ゴッド超サイヤ人(超サイヤ人ブルーと呼ぶらしい)に変身し、ブロリーとの最終決戦に挑む。吠えるブロリー。連戦の疲れを全く見せないブロリーだったが、ゴジータの実力はそれを圧倒した。吠えるブロリー。次第に追い詰められていくブロリー。吠えるブロリー。その頃、チライはドラゴンボールを使って神龍を呼び出していた。自分たちの都合で運命を弄ばれたブロリーを救うために、チライは渾身の力を込めて神龍に願いを伝える。「ブロリーを元いた星に返してやってくれ」。吠えるブロリー。

ゴジータの最大パワーのかめはめ波がブロリーに直撃するまさにその瞬間、ブロリーの姿がこの場から消え去った。気がつくと辺境の星にワープしていたブロリー。ゴジータのかめはめ波は空の彼方へ消えていき、神龍もドラゴンボールに戻って世界中に散っていった。つい先程までの激しい戦いが嘘のように、辺りは穏やかな空気に包まれていた。

チライの行動は明らかなフリーザへの反逆行為。軍にも居場所のなくなったチライとレモは、そのまま軍を脱走。ブロリーの住む星へ行き、一緒に暮らすこととなった。そこに突然、瞬間移動で現れる悟空。3人に諸々の生活物資を提供し、今度は敵としてではなく、共に技を磨き合うライバルとしてブロリーとの再戦を誓い合い、この場を後にする。悟空のその行動が、チライには全く理解できなかった。堪らず名前を尋ねるチライ。去り際に彼はこう答えた。

「孫悟空。それと、カカロット。」

【review】
劇場版最新作。ブロリー再々々登場。しかし、これまでの破壊王ブロリーとは打って変わって、純粋な心を持ったパラレルワールドブロリー。前シリーズの彼も出会い方によってはこんな運命になれたかも知れないと思うと泣けてくる。あと、パラガスは何れにせよ報われない運命なんですね。

悟空の母初登場。ギネ役を演じたのは悟空の妻チチ役の渡辺菜生子さん。夫と息子を想う、可愛らしくて素敵な女性です。息子との再会を果たせずフリーザによって粉々にされたのかと思うとこれまた泣けてくる。

悟空が地球に行く経緯が、過去のドラゴンボールZ特別編で描かれたものとは違っており、そこに矛盾を感じるけれども、僕の中ではもう一つの世界線での物語だと解釈しています。

過去編で登場する、スカウターの前身アイテム「スカウトスコープ」が非常に興味深い。手で持つタイプのスカウトスコープから、顔に装着することで小型軽量化に成功し、さらに通信機能なども装備したスカウターの明らかなアップグレード感が、時代の流れを感じさせてくれます。

運命に翻弄されるブロリーと、そんなことお構いなしに今を一生懸命生きる女の子チライが主人公のお話し。勿論一番目立つ活躍をしているのは悟空だし、ベジータやフリーザも見せ場充分だけど、観客の心の動きを誘導していたのは間違いなくこの二人。単なるバトルもの展開ではなく、人間ドラマをしっかりと描き、ラストのドラゴンボールの使い方も絶妙で、正に劇場版ドラゴンボール集大成と呼んでも過言ではない名作です。当然バトルシーンも最新の技術を使って派手に描いてくれていて、観客の要望にきっちり応えている。長ったらしいのは僕好みではないんだけどね。

僕はTVアニメ「ドラゴンボール超」を一切観ていないんだけど、このチライちゃんて女の子は劇場版オリジナルキャラなんだよね?最初は適当なチョイ役だと思っていつ退場するのかなって程度に思ってたんだけど、次第に物語の鍵を握っていって、段々目が離せなくなっていた。エンドロールを見たら、演じていたのは水樹奈々さんでした。個人的にはこの人の事、そんなに好きではないんだけど、その実力はさすがの一言ですね。

ブルマ役が鶴ひろみさんでない事が本当に哀しい。今回演じたのはベテラン声優の久川綾さん。ほぼ違和感なく演じてくれた事にこれまた涙。アニメ版でもこの人なのかな。

ブロリーってキャラがあまり好きじゃなかったのでそんなに期待してなかったんだけど、非常に上手くバランスの取れた傑作だと思いました。多分今後も劇場版シリーズは続くんだろうけど、今終わるのが一番良い締めになるんじゃないかな、とか思ったり。

最後に悟空が自分からカカロットと名乗ったのは感慨深いですね。物心ついた時からじっちゃんに名付けてもらった孫悟空として生活し、邪悪な戦士の象徴だったサイヤ人の本名になんとなく抵抗を持っていた悟空でしたが、サイヤ人としての自分も受け入れられる許容を身につけたこと、偉大なる父の存在、悟空の心の成長を見た気がしました。ラストのセリフを聞いた時、冒頭のギネのことを思い出したらまた泣けてきます。

これにて劇場版ドラゴンボール映画作品レビューは終了です。原作、劇場版1~16作目、17作目~最新作の、3つのパラレルワールドのドラゴンボール世界を一気に楽しんでみるのも乙なものですね。少年時代はお小遣いや時間の都合でなかなか観られなかった劇場版ドラゴンボール。この歳になってコンプリートする事が出来て、願いが叶った思いです。正に、ありがとうドラゴンボール!

まぁ、叶えてくれたのはプライムビデオなんだけどね(笑)。

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