ネタバレ感想【劇場版ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる】

【story】
悟空が生き返った。

恐らくドラゴンボールの力によるものと思われるが、もはや「生き返った」というよりも「帰国した」程度の感覚であの世とこの世を行き来していたので、今更という感じである。ついでにベジータも生き返った。

悟飯は都会で高校に通いながら、自警団の様な活動も行っていた。自らをグレートサイヤマンと名乗り、顔を隠して悪人を成敗していたのだ。恋人であるビーデルさんもこれに参加、グレートサイヤマン2号と名乗り、二人でキメポーズなんかも作っちゃったりして、これでもかという程のバカップルぶりを発揮していた。

そんな平和なある日、どこからどう見ても胡散臭さしか感じない魔導師ホイの口車に乗って、悟飯や仲間たちはドラゴンボールを集めて神龍の力で伝説の勇者タピオンを復活させる。しかしそれは、同時にタピオンが身を挺して封印していた幻魔人ヒルデガーンの復活も意味するのであった。

遥か昔、全宇宙を恐怖のどん底に陥れていた伝説の幻魔人ヒルデガーン。もうこんな肩書きのヤツばっかりだが、先日現れた、かつて全宇宙を恐怖のどん底に陥れた伝説の魔人ブウとは一切関係ない。ヒルデガーンのあまりの力に対し、宇宙の平和を守るべく戦っていた勇者タピオンは、自らの体にヒルデガーンを封印、オルゴールの中に魔人ごと自分を封じ込めて、永遠の時を過ごしていたのであった。それを悟飯たちはまんまと復活させてしまったという訳だ。

何も事情を知らない悟飯たちに対し、何かにつけてキツく当たる勇者タピオン。少年トランクスは、少しでもタピオンと仲良くなろうと近づくが、全く相手にされない。兄のいないトランクスは、優しくて逞しい兄を持つ悟天のことを普段から羨ましく思っていた。父親はあんなだし。タピオンに憧れの兄を感じたトランクスは、どれだけ辛く当たられようとも、何度もタピオンに接していく。そのうちに少しずつ心を開き始めたタピオンは、トランクスに亡き弟の面影を感じ、次第に過去の自分を語り始める。

しかし、魔導師ホイの策略で、ついに幻魔人ヒルデガーンは完全復活を果たす。もはや悟空たちでも手に負えないほどの強さのヒルデガーンは、街を次々と破壊していき、世界中に甚大な被害をもたらす。もはや地球の命運もこれまでかというその時、勇者タピオンは再び自らの体にヒルデガーンを封印し、トランクスに自分の体ごとヒルデガーンに止めを刺すよう訴えるがあえなく失敗。ヒルデガーンはタピオンの体から抜け出し、魔導師ホイを踏み潰して再び暴れ始める。

絶体絶命のその時、悟空が例の超サイヤ人の限界を超えた超サイ…以下、「超サイヤ人3」と呼称する…に変身。新必殺技の龍拳を放つ。拳から龍の形をした気孔波を放ち、ヒルデガーンを粉々に吹き飛ばした。あまりにも見事な倒しっぷりだったので、先刻のタピオンとトランクスの感動のやり取りがとんだ茶番になってしまったが、これにて一件落着。これでもかというキメポーズで、オイシイところは悟空が全部持って行った。

ヒルデガーンを復活させてしまった事で、地球に取り返しのつかない犠牲を出してしまった事に責任を感じるタピオンに、悟空はこの作品最大の名(迷)台詞を告げる。

「安心しろ。殺された人たちはドラゴンボールで生きけぇらせることが出来る!」

そう、どれだけド派手に暴れても、明日には何もかも元通りにする事ができる。ウルトラマンもびっくりだ。何度でも覆水盆に返るご都合アイテム。それがドラゴンボールなのだ。今までも、そしてこれからも。

今後も地球、そして宇宙は何度も危機に陥るだろう。しかし、その度にピンチを乗り越えることができる筈だ。悟空が、そしてドラゴンボールがある限り。

【review】
龍拳てなに?という視聴者の疑問は完全に置いて行った悟空の新技。後にも先にもこの一発を放ったのみだ。「龍拳!」と叫ぶ野沢雅子さんの声にも、心なしか戸惑いを感じるほどだ。

圧倒的な強さの敵キャラを悟空が倒すというよりも、トランクスとタピオンの友情を描く人間ドラマに重点を置いている。主役は完全にトランクスで、彼はこういう経験を繰り返して我が儘な少年から未来トランクスの様な好青年に成長していくんだなと感じさせてくれた。

ここ最近の敵キャラと同じく、ヒルデガーンもずる賢い悪役というよりは、知性の無い怪獣の様な扱いで、小難しい設定の掘り下げが不要なので、その分ドラマ部分に重きを置くことができたと思う。ずる賢い役は魔導師ホイが担ってくれたので、全体のバランスも良かった。

今回でこの世界線のドラゴンボールは一旦終わり。次回作で時系列が一旦戻り、登場人物の関係性にも多少の矛盾が生じてくるので、次回からの残り4作品は、また別次元のドラゴンボールパラレルワールド作品として観て行こうと思います。

最終回じゃないぞよ。もうちびっとだけ続くんじゃ。

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