ネタバレ感想【劇場版ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空】

【story】
地球最大の危機となったターレス一味との闘いから数日、またもやまたもや宇宙からの侵略者がやって来た!

孫悟飯は、ハイヤードラゴンとのコラボ芸を習得していた。早速、滝の前で独り空中浮遊を楽しんでいるピッコロの前で披露する二人。それは、悟飯の口笛に合わせて、ハイヤードラゴンが謎のダンスを踊るというものだった。独創的な衣装に身を包み、悟飯と共に奇怪なダンスを結構な尺で踊り出すハイヤードラゴン。満足顔で踊り終えた二人に対し、ピッコロは大激怒。傷心の悟飯は肩を落としてその場を立ち去った。激怒の原因は、ピッコロの聴覚機能に対し、人間の口笛の音が非常に癇に障る周波数であった為であり、我々で言うところの、ガラスを爪で引っ掻いたり、発泡スチロールを擦り合せたりする音を聞く感覚だったというのだ。楽しむ以前の問題だ。納得である。

ある日、地球に謎の星が接近してきた。発見が遅れて、もう間もなく地球と衝突、地球は壊滅するという。悟空とクリリンは、取り敢えずかめはめ波で破壊しようとするが、見事に失敗、逆に大ダメージを負ってしまう。謎の星は地球の前で軌道を変え、宇宙空間に停止、中から宇宙船が現れて、そこから今回の侵略者が登場する。

その名は宇宙魔族スラッグ一味。親玉のスラッグは、かつてない程の残忍な性格の持ち主で、長年共に歩んできた幹部の一人であるゼエウンは、「スラッグ様もお歳だ」の一言で地球に降り立つ前に、そしてこの映画を観ている観客に名乗る前に殺されてしまった。更に、貴重なメカニックである部下を、命令した作業の工期よりも時間がかかると言われただけで殺してしまう。殺してしまうと作業効率が更に落ちると思うが、そんな事はお構いなしだ。そんな極悪人のスラッグ率いる宇宙魔族は、地球を暗雲で覆いつくし、自分たちに都合の悪い日光を遮る事で、地球を征服するつもりだった。

地球に降り立ち、ドラゴンボールの存在を知るスラッグ。早速部下たちに命令し、1分ほどで世界中からドラゴンボールを集める。神龍の力で若返ったスラッグは、「これだ!この溢れるパワー感だ!」と大喜び。神龍はそそくさとドラゴンボールに戻って世界中に散って行った。

早速、地球を暗黒の星に変えるスラッグ一味。たちまち地球に氷河期が訪れ、人々は飢えと寒さに苦しみ、野生の鹿は住む場所を失って凍えていた。地球に歴史上かつてない程の危機が訪れたのだ。このピンチを打破しようとスラッグ一味と戦う戦士たちだが、戦力差は大きく歯が立たない。愛する悟飯のピンチに颯爽と現れたピッコロも、何人かの部下を倒すも、結局は敗れてしまう。自らも満身創痍の体で、傷ついた悟飯が凍えない様、ホモの様に寄り添って体を温めるピッコロ。そこに、仙豆を食べて完全回復した悟空が登場。尺の都合でスラッグの部下たちを瞬殺する。残るはスラッグただ一人。

スラッグは自らをナメック星人だと名乗る。緑色の肌、頭部の触覚、尖った耳、鋭く長い爪、筋繊維がそのまま浮き彫りになったような腕の模様。その身体的特徴は、ピッコロと酷似していた。スラッグは、残忍な性格に加えて、その実力も圧倒的だ。自称だが、数千年に一人生まれるという、超(スーパー)ナメック星人だという。悟空は全力で挑むも、徐々に実力差が露わになってきた。

そんな時、突然悟空の様子がおかしくなる。全身が激しいオーラに覆われ、髪の毛が逆立ち、自我を失い、フルパワーの界王拳を肉体への負担なしで常に発動している様な状態で、ヤケクソの様にスラッグを殴打。その闘いを別の次元から高みの見物していた界王さまは、悟空の状態を見て、「数千年に一人生まれるという伝説の超(スーパー)サイヤ人かも知れない」と言う。一気に形勢逆転かと思われたが、突如悟空のバンザイアタックタイムが終了。巨大化したスラッグに更なる苦戦を強いられる。そこに満身創痍のピッコロが参戦。とある作戦に打って出る。

ここでピッコロが自らもナメック星人である事をカミングアウト。ナメック星人の弱点を知り尽くしているピッコロは、悟飯に冒頭の口笛を吹くように言う。ピッコロと同じナメック星人であるスラッグも、口笛の音が弱点という訳だ。いくら弱点とは言え、地球の命運をかけた命がけの闘いの最中に、相手にガラスを引っ掻く音を聞かせる様な地味な作戦もどうかと思うが、効果はてき面だ。戦場に響き渡る陽気な口笛、悶絶する巨大スラッグ、異様な光景である。

因みに、その口笛でピッコロもただでは済まないかとお思いだろうが、彼は自らの耳を引きちぎる事で弱点を克服。音を聞こえなくするには耳を引きちぎるのではなく鼓膜を破らないと無意味かと思うが、どうやら彼には悟飯の口笛は聞こえていないらしい。耳をちぎった後に、

「悟飯!口笛を吹けー!」
「くちぶえ…?」
「ハイヤードラゴンを躍らせたあの口笛だ!早く吹けー!」

いや、会話してんじゃん!というツッコミは無視させて頂こう。

スラッグの動きを封じている間に悟空は復活。ピッコロとの共同アタックで大ダメージを与え、止めは伝家の宝刀元気玉で地球暗黒化装置ごとスラッグを粉砕。地球は再び暖かさを取り戻し、野生の鹿も元気になった。

因みにナメック星人は、失った体の部位をトカゲの尻尾の様に再生できる能力を持っているので、ピッコロの耳も無事に生えてきましたとさ。

【review】
特筆すべきは悟飯の口笛。実際に口笛を吹いているのはプロのパフォーマーの方なので、その音色やテクニックは素晴らしいものだが、物語の中に強引に組み込んでくる感じが観ていてむず痒くなってくる。

今回の敵の部下は5人。但し、ゼエウンは自己紹介前にスラッグに殺されて戦力外扱い、カクージャはバトルではなく開発専門なので戦力外、ドロダボはピッコロが撃破、悟空が戦ったのはアンギラとメダマッチャだけだった。前作に比べると、すっきりした構成だったが、逆にそれぞれのキャラクターの個性が弱かったのが残念か。

悟空の大暴れ、弱点の口笛、元気玉、スラッグを倒せる要素が幾つかあったのを総動員したので、逆に何が効果的だったのかよくわからなくなってしまった。まあ、それぐらい強い敵だったということで。

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