ネタバレ感想【劇場版ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦】

【story】
Dr.ウィローの野望を阻止してから数か月、またもや宇宙からの侵略者がやって来た。

とある山でキャンプを楽しんでいた悟飯やクリリンたち。楽しいひと時もつかの間、突如原因不明の山火事に遭ってしまう。悟飯とクリリンの活躍で山火事は収まったものの、木々は焼き払われ、動物たちは住む場所を失い、野生の鹿も困り果てていた。そんな時、ドラゴンボールで山を元通りにしようと提案する悟飯。懐かしのヤムチャや、ミーファン帝国から餃子(チャオズ)と天津飯(テンシンハン)も駆け付け、1分半程で世界中からドラゴンボールを集める。神龍の力で無事に山は元通りになり、野生の鹿も大喜びだ。そんな中、火事のドサクサで小型の竜であるハイヤードラゴンの子供と仲良くなった悟飯は、母に内緒でこの野生の竜をこっそり飼うことになった。

山火事の原因は宇宙より飛来した謎の偵察機によるものだった。この機械で地球の土壌の良さを確認した侵略者は、大喜びで神精樹の種を植える。神精樹とは、数日でその星の養分を吸い尽くして成長し、巨大な樹にとてつもないエネルギーを秘めた実を成らすという、恐るべき宇宙の植物だった。瞬く間に神精樹の種は成長、地球中に根を張り、次々とビルを破壊して巨大な根が街を蹂躙、経済は崩壊し、草原は砂漠と化し、山は崩れ海は枯れ、野生の鹿は住む場所を失い、地球に未曾有の危機が訪れていた。

事態を重く見た悟空たちは、事の元凶を追う。その恐るべき侵略者の名は宇宙の壊し屋ターレス一味。自らを宇宙最強の戦士、サイヤ人と名乗り、少年期の悟空と同じく尻尾を持ち、更に悟空のことをカカロットと呼ぶターレスの姿はなんと悟空と瓜二つ。この男の正体は双子か親子かクローンか?なんとその正体は、「そっくりさん」だった。

ターレスとゆかいな仲間たちは、地球の戦士たちと激闘を繰り広げる。戦闘前の会話で、いきなり自分のことをサイヤ人のカカロットだとカミングアウトする悟空。その事に驚きもしない仲間たち。どうやら数年前に地球を襲った侵略者が別のサイヤ人で、その時に悟空の素性が明らかになっていたようだ。

敵との戦力差は歴然で、次々と倒されるクリリン、ヤムチャ、天津飯。ミーファン帝国皇帝の餃子に至っては木の枝にぶら下げられていた。しかし、酷い目に遭わされながらも、誰一人として命までは奪われていないところに、ターレス一味の優しさが伺える。悟飯のピンチだけに駆け付け、颯爽と現れてまるでホモの様に悟飯を抱きしめるピッコロ。しかし、ターレスの手により悟飯が大猿に変身させられて大暴れ、なんとか悟飯を元の姿に戻すが、ピッコロはターレスに倒されてしまう。悟空は尺の都合でターレスの部下たちを次々と撃破。いよいよターレスとの最終決戦。既に成熟した神精樹の実を食べたターレスは急激にパワーアップ。その実力差は絶望的だった。

凄まじいエネルギーを持つ神精樹の実、更に土壌良好な地球育ちの実とあれば、それを食べたターレスの力は飛躍的に上がっている。種を植える際、ターレスの部下は、もしターレスがこの実を食べたら、あのフリーザにも負けないと呟いていた。いきなり知らない名前が出たが、どうやらこの宇宙にはサイヤ人の他にもフリーザという名の強大な力を持った悪人もいる様だ。

宇宙一の力を得て悦に浸るターレス。その間、悟空は元気玉を作っていた。地球中から少しずつパワーを集める悟空。既に地球上には僅かなパワーしか残っておらず、力を吸い尽くされた野生の鹿は倒れ、十分な元気玉は作れない。そこで、神精樹から元気を搾り取った悟空は、超パワー元気玉を完成させた。そのエネルギーは神精樹ごとターレスを木端微塵に粉砕。大陸を覆う程に成長していた神精樹は跡形もなく消し飛び、そこから降り注いだ溢れんばかりの生命エネルギーは、荒れ果てた地球を元通りに戻していた。砂漠と化した大地は緑を取り戻し、野生の鹿は元気になり、壊れたビルも再建された。

【review】
珍しく悟空の仲間たちオールスター登場回。特に餃子の登場は、「摩訶不思議大冒険」以来二度目。今後出て来る事は無いので、ミーファン帝国皇帝設定も生かしておいて差し支えなし。今回の敵の部下の名前は「ダイーズ」「アモンド」「カカオ」「ラカセイ」「レズン」の豆シリーズ。厳密にはマメ科統一とかではないけども。キャストが増えすぎて、見せ所が散っちゃった感じは否めない。それでも貴重な全員集合回なのでファンにはうれしいところか。

悟空そっくりのラスボスも興味深いが、これは「もし悟空が赤ん坊の頃に頭部を強打してサイヤ人の記憶を無くしてなければ、こんな恐ろしい敵になっていたかも知れない」という、ifのストーリーとして楽しめる。実際、バキバキの悪役を演じる野沢雅子さんの怪演にはゾッとする様な妖しさがある。それにしても「そっくりさん」で片づけるには無理がある程瓜二つにしてしまったのはどうかと思うが。

しれっと登場するフリーザの名前。このお陰で、今後の劇場版シリーズの時系列の辻褄が合わせやすくなるので、絶対に外せない一言だった。

今回からマスコット的存在のハイヤードラゴンが登場。アニメオリジナルキャラだが、ドラゴンボールの世界ではお馴染みの生物らしく、この竜を見た皆の反応はいたって普通で、当然の様にハイヤードラゴンのことを認識していた。ただ、一つだけ見逃せないのは、周囲の仲間たちはおろか、飼い主である悟飯さえも、彼の名前を「ハイヤードラゴン」と呼ぶのだ。この名付けのセンスは、拾った犬に「いぬ」と名付けるようなもので、悟飯の感性というか、人格を疑うレベルである。

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