「天狗裁き」終了しました

寿です。

1月31日(日)秘密倶楽部アニマアニムスにて疫馬車虫佐作演出「天狗裁き-ametoMare-」、無事に終了しました。ご来場くださいました皆様、本当に有難うございました。

今回の作品は、12月20日に大正会館にて行われた「天狗裁き-現代壊惡-」、12月24日に新金岡東小学校にて行われた「天狗裁き-受難壊惡-」と併せて、約3カ月に渡って組まれた座組「朝寝坊一座2015」による、云わば三部作の様なツアー的公演となりました。

前回二作品は、一般公開はしないものでしたが、この作品はどんな形でも一度は世に放たねばならないという事で、ほぼほぼ虫佐の無茶振り的な勢いで今回、アニアニでの上演が決定しました。前回二作品では約30分に収めた、かなりソフトなお話でしたが、今回はその約3倍のボリューム、各登場人物のバックボーンを掘り下げ、前回ではギャグやご都合主義で通した部分をリアルに描き、お話の筋は全く一緒なのに、殆ど違う作品と言っても過言ではない程のものに仕上がりました。この辺のセンスは、虫佐の才能を如何なく発揮したもので、流石の一言に尽きますね。

前の本番もまだ終わってない時期に貰った今回の台本、初めて読んだ時は深く考えさせられました。

ここまでリアルに人間の本性を描く作品、表現も露骨で、ショッキングなシーンや観客に対する裏切りも多く、正直、これだけのものをアニアニの店内という規模でどこまで出し切れるのか不安はありました。それでも始まったからにはやるしかない、自分に出来る事は、与えられた条件の中で今の自分に出来る120%のパフォーマンスを発揮する事だけでした。それをどこまで皆様にお伝え出来たかは分かりませんが、とにかく、全力で挑んだ一カ月間でした。

このお話に出てくる登場人物全員に共通している事は、皆幸せになる為に一生懸命生きています。ただ、そこにすれ違いや価値観の相違、偶然や勘違い等が複雑に絡み合って、お互いを傷つけ合う結果になってしまったのだと、私は解釈しています。

自らの欲望を満たす為に他人の人生を奪ってしまった男。

己の正義を貫く為には手段を選ばなかった警察官。

愛を知らないが故に青春を犠牲にして偽りの愛に縋った少女。

愛する家族を理不尽に奪われ、同じ理不尽で以って世界に復習を果たそうとした青年。

彼らの行った事は絶対に正義の行いではないし、決して許される事ではありません。しかし、彼らはただただ真っ直ぐに、不器用に生きていただけでした。もしもの話ですが、もしあとほんの少しだけ出会ったタイミングや出会い方が違っただけで、もしかしたら皆仲良くなれていたかも知れない。殺し合わずにすんだかも知れない。

これって、結局この人間社会の本質なんですね。どんなに一生懸命生きていても、自分の思い通りの結果に終わらないかも知れない。でも、誰だってこの世界の不条理や理不尽と闘いながら、皆必死に足掻いて生きている。それでも必ず結果は訪れる。それが悲劇であれ何であれ、もう戻る事は出来ないのだから、我々はそれを受け入れ、また生きていかなければならない。辛い事も多いけど、だからこそ人生って大切なんだと思います。

今回の「天狗裁き」の中で、無限に繰り返される世界で、一体彼らは何を思い、何を求めて生きていたのでしょうか。みんながみんな、平等に幸せになれる世の中があったら本当に素敵なのにね。

今回の公演に当たって、本当に沢山の方のお力添えがあった事をこの場をお借りして御礼申し上げます。この座組に参加したメンバーは勿論、お忙しい中、快く(と信じたい)ゲスト出演を引き受けてくださった皆様、虫佐の無理難題を形にしてくださったスタッフの皆様、我々に表現の場所と機会を与えてくださった大正会館、新金岡東小学校、秘密倶楽部アニマアニムスの皆様、本当に有難うございました。

そして、今回誘ってくれた疫馬車ちゅうちゃん、ありがとうね。カドノ君とヤシロヤ君に出会わせてくれてありがとう。大変だったけどすんごい楽しかった!

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この記事へのコメント

  • サツキ

    寿さん、サツキです。先日はお疲れ様でした&ありがとうございました。うちなりの解釈ですが、ホントに寿さんと似ているところがあって、ただそれぞれがやり方や選ぶべき道や手段を間違えてしまっただけで、本当はただそこには不器用なまでに幸せや自分の本当に求めるものを悲しいくらいに欲していただけなのかもしれないですね。結果は変わらなかったかもしれないけど、違うやり方を選んでいたらもしかしたらそれぞれ悲しい結果には至らなかったかもしれない。本当に求めるものを手に入れられたかもしれない。そう思うとやるせないですが、これも選んでしまった事実。家族を理不尽に奪われてしまった青年は、本来は家族の幸せこそが自分の幸せであって、自分自身の幸せは二の次という本当に家族思いの優しい青年だった。理不尽に対する復讐は、そこまでその優しい男を変えてしまうくらい、青年にとっては本当に大切な存在だった。青年の妹も、結婚式の衣装選びに青年を付き合わせたのも、ただのワガママに見えるかもしれないけど、実はそこに「お兄ちゃんの選んでくれたドレスで結婚式に出るよ」という妹なりの今まで守ってきてくれた大好きな兄への感謝と、妹なりの優しさと愛情いう声にならないメッセージだったんじゃないかって思ってます。それがわかってるからこそ、それが嬉しくて何だかんだで衣装選びに付き合う優しい兄。いろんなすれ違いがなければ、本当にみんな幸せになれたかもしれない。許されることではないけれど、そういった人間の本質が見える、深いお話だと思いました。
    2016年02月03日 19:03
  • 寿葬屋

    >サツキさん
    先日はお憑かれ様でした♪
    みんな、それぞれ深い愛情や信念を持っていて、それらが捻じれてぶつかっちゃった結果なんですよね。昨年のクリスマス公演と合わせて考えると、パラレルワールドや「if」を感じられて面白いですよね。
    2016年02月15日 17:23

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