演劇的観点から観た『影切のオルグ』

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こんにちわ、手綱師・疫馬車虫佐です。いよいよ明日から小屋入り、明後日から『影切のオルグ』が開幕になります。


さて先日は音楽的視点から『影切のオルグ』を見たので今回は中身的な演劇視点から『影切のオルグ』を切り取りたいと思います。
とは言ったものの、ごく私的な観点から話させてもらいます。


幼い頃、僕は非常に大人しく、親が怖かったので周りの顔色ばかり窺ってきました。それは今も同じですが。
いわば目立たない日陰者でした。存在は薄く、常に人気者の影に隠れんぼし、学校では2学期も経った時に担任にすら「○○?そんな奴いないよ?」と言われる始末。

だがだからこそ自分の存在を誇示したかった。皆に存在を認められる存在になりたかった。悔しくて仕方なかったから。


そんな時に僕は手品を始めた。手品という武器を身に付けた途端、今まで見向きもしなかった連中が僕を見るようになったんである。
僕は目立つという快感を覚え、いつしか手品師と呼ばれ、目立つことばかりを考えるようになった。色んな人がチヤホヤし世界は変わった。

だが手品という武器を手にしても所詮体は根暗である。上手いトークもなければ他に輝くものもない。元々最悪な程に不器用だったので武器用の手品もそもそも下手くそだった。だから小学生は騙せても高校生くらいになると難しくなってきたのである。

高校に入り、僕は友達から仲間外れにされ色々な奴に「話しかけるな」と言われ無視られ、再び完全な日陰者になった。
一度目立つという喜びを覚えた故に、その反動も大きく鬱になってしまう。元々家族とも仲良くはなかったので学校へ行っても毎日誰とも話さない日々が続いた。休み時間はトイレの個室でただただ時間が過ぎるのを待った。毎日考える事は、自殺の仕方と、いつか復讐してやるのみ、だった。

だけど元来周りの顔色ばかり窺ってきた人間だ、死ぬ勇気もなければ逃げ出す勇気もなく復讐する勇気もなかった。ただ毎日布団の中で震えてた。


そんな時転機が訪れる。大学入学だ。そこには僕の過去を知る人間は誰1人としていなかった。だから必死で演じた、明るい人間を。そしてお笑いを始め、新たな武器を手にしたのだ。さらにそれだけではなくお芝居という武器も手にした。

その時の自分は、とにかく今まで見下してきた人間を見返す事ばかりを考えていたし、今の自分なら何でも出来そうな気がしていた。
だがその時は長くは続かない、社会に出ればその武器を手離さなければならない。武器を失った自分は再び鬱を再発させ、今度はさらに反動がでかかった。精神科に通い、毎日薬付けになった。

しかし1つの道が残っていた。武器を手離さずに、舞台を続ける事だ。

だがしかし舞台の世界も甘くない。僕なんかがいくら頑張っても、皆それ以上の武器を持ってる人間ばかりだ、結局その世界での日陰者になってしまう。


舞台を初めて12年が経つが、自分の脚本作品を除けば未だに僕は演劇における主役というものを演じた事がない。輝く舞台に立っておきながら、スポットライトの影にいる存在、まさに脇役人生、日陰人生だ。(あまりに悔しかったので、自分で脚本演出の作品で自分を主役にしたほどだ)


話が自分の話ばかりになったのでここでようやく『影切のオルグ』に戻す。僕はこのブログな文章の分だけ長く脇役だったが、舞台12年目にしてようやく、この『影切のオルグ』において、主役級の役を演じる。というのもこのお話には脇役がいない、面白いことに全員重要な役だ。全員主役ともいえるし、全員脇役ともいえる。だが僕は自分が主役の1人だと思いたい。これでようやく見下してきた主役たちを少しは見返せる気がする。

今は手品という武器を持つ手品師ではないが、何の因果か今は見世物パンク一座ストロベリーソングオーケストラという武器を持つ手綱師だ。

この『影切のオルグ』で、日陰者が主役になる時を御覧にいれましょう。多分見終わった頃には僕がツラツラ長い文章で綴っていた意味が解ると思います。絶望しかなかった僕が導き出した一筋の希望、それが今作です。


さあ、胞衣の劇場、見世物パンク一座がお送りする『影切のオルグ』、そろそろ開幕です…


ストロベリーソングオーケストラ
演劇本公演第61劇『影切のオルグ』

【日時】
2013年
11月2日(土)19時~
11月3日(日)14時~
11月3日(日)19時~
11月4日(月・祝)13時~
11月4日(月・祝)18時~
※開場は開演の30分前。開場時から役者は芝居をしています。


【場所】
中津Vi-code
(阪急中津駅下車1分。中津駅の高架下。)
www.vi-codo.com

【料金】
前売り(予約)3000円
当日券3500円
※ドリンク代別途500円

【出演】
ストロベリーソングオーケストラ・谷山祈子・良寛・宮田泰羽・木兎水花・雨木エン・カラスマセンサイ

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